メタルフリーへの取り組み
1.メタル(金属)のつめ物が何故、平均7年でやりかえられているのか
2次う蝕(むし歯)の発生
あなたのお口の中には、歯医者さんでつめた銀歯が入っていませんか。
そしてその銀歯がとれた経験は、ありませんか?
残念なことに、保険でつめた銀歯は、5年~7年でやりかえられているという統計が出ています。
ここで保険で使われる「銀歯」のお話しを少しします。
あなたが「銀歯」と言っているつめ物(インレー)やかぶせ物(クラウン)は、実は銀ではなく、金銀パラジウム合金です。
成分は以下の通りです。
そして金以外は、アレルギーの原因になる金属なのです。
特に、パラジウムは、金属アレルギーになりやすい物質です。
パラジウム合金や銀合金等の金属が、歯科材料で使用されているのは、先進国では日本だけ。
ドイツなどの医療先進国では、パラジウムが体に与える悪影響を考慮し、パラジウムフリー(パラジウムを含まない)の金属を使うことを推奨しています。
また、日本向けの歯科金属のパンフレットでも、「この金属はパラジウムを含みません」と、わざわざ謳ってるほどです。
ということで、海外では、パラジウムは身体に良くないと広く認識されています。
また、年月を経て、お口の中で腐食するため、つめ物と歯との、すき間が出来やすくなります。
さらに金属は、歯より硬いため、咬耗して、かけた歯との段差が出来ます。
そのため、2次カリエス(ムシ歯)になりやすくなるのです。
2.是非お伝えしたい、合着との違い
さらに、ふみ込んだ話をします。
突然ですが、合着と接着の違いをご存知ですか?
金属かセラミックかを選ぶ際に、もうひとつ知って頂きたいことがあります。 それは、金属やセラミックが歯と、どのように接合しているかということです。
実は、保険で治療する金属は歯にはまっているだけで、歯と一体化している訳ではありません。
セメントが歯と金属の間を埋めて、その摩擦力で、はまっているだけ。
残念ですが、時間が経ってセメントが劣化し溶けてくると、隙間ができて金属がはがれてきます。
また、歯との隙間に徐々に細菌が浸入し、2次カリエスという、新たな虫歯になることがあります。
なので、歯につめた金属は、平均約7年でダメになっているのです。
それに対し、セラミックはレジンセメントを介し、歯と一体化するため、隙間から細菌が浸入することが、ありません。
このような歯との接合の仕方を、金属は『合着』と言い、セラミックは『接着』と言います。
金属の『合着』には限界があり、虫歯の再発、金属アレルギーの発症など様々な不具合を、引き起こしてしまいます。
たしかに保険治療は、治療費を抑えることは出来ます。
しかし、保険通用となる銀歯での治療は、見た目だけでなく、アレルギーの問題、天然歯への影響、2次う蝕(むし歯)の発生など、長い目で見れば、治療費も決して安くはありません。
3.私たちがお勧めする、オールセラミックについて
まだ日本では、馴染みのない「メタルフリー治療」ですが、世界的には、急速に浸透しています。
あなたの健康を考え、私たちは人に優しいメタルフリー治療をお勧めしています。
金属を使用しないメタルフリー治療には、オールセラミックがあります。
オールセラミック
セラミックは、透明感があり、見た目は天然歯に近い素材です。
また汚れ(プラーク)が付きにくく、ほとんど変色、劣化しないため、耐久性にも優れています。
4.かぶせ物の下になる、歯の土台へのこだわり
さらに、セラミック・クラウンやセレック・クラウンにするなら、歯の土台にもこだわりもの。
そこで私たちがお勧めしているのが、ファイバーコアです。
ファイバーコアとは、グラスファイバーの繊維を束ね、ひとつにし、レジン(特殊樹脂)と一体化させたもの。
そのため、金属コアに比べ、歯と同じくらいの固さと、柔軟性がありますので、天然歯に近い材質です。
当院のメタルフリー治療では、歯の土台もメタルではなく、ファイバーコアーを使用します。
このファイバーコアを土台に使用することで、残った天然歯への負担も少なくなり、歯の破折が軽減し、あなたの大切な歯を守ることが出来ます。
また、セラミックとの相性もいいので、接着力も高まり、2次むし歯や、脱離も少なくなります。
メタルコアとファイバーコアの、メリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メタルコア | 硬くて丈夫です。 保険の範囲内で使用できますので、比較的、安価に治療できます。 |
歯より硬いため、歯の根の破折の原因となることが、あります。 金属アレルギーの可能性が、あります。 |
ファイバーコア | 天然の歯と同等の硬度と、柔軟性があるので、衝撃を受けたときにも、金属と比べて破損しにくい。 金属アレルギーの心配がない。 セラミックとの相性がよく、接着しやすく、ムシ歯になりにくい。 色が白いので、透明感のあるかぶせ物(クラウン)を、作ることが出来る。 |
金属と違い強い衝撃で折れてしまう可能性はあります。 |